ハクビシンの侵入経路はどこ?自宅でできるセルフチェック方法も紹介

この記事は、成瀬 海人氏(害獣駆除専門家 )の監修を受けて作成しています。
> 監修者プロフィールはこちら

「夜になると天井からドタドタ音がする」
「屋根裏から異臭がするが、どこから入ったのかわからない」

こうした被害の原因として多いのが、ハクビシンの建物侵入です。

ハクビシンは見た目以上に頭が小さいため、わずか「8cm四方」の隙間(握りこぶし程度)があれば住宅内部へ侵入できます。

しかも一度侵入経路を覚えると、封鎖しない限り何度も再侵入する厄介な動物でもあります。

この記事では、

  • ハクビシンが実際に侵入する主な経路

  • 自宅で確認できるチェックポイント

  • 侵入経路が複数あるケースや注意点

を中心に、ハクビシンの侵入経路の全体像を整理します。

ハクビシンの侵入経路はどこ?

ハクビシンの侵入経路は、大きく分けて以下の5つです。

  • 屋根・屋根周辺

  • 床下(基礎の通気口)
  • 軒下・破風板の隙間
  • 換気口・通気口

  • 外壁の劣化部分

特に多いのが屋根まわりから屋根裏へ侵入するケースで、被害相談の大半を占めます。

戸建て住宅における侵入経路の割合はおおよそ以下の通りです。

屋根・軒下まわり 約60%
床下通気口・基礎まわり 約30%
その他(配管・エアコン導入部など) 約10%

「屋根」が最も多いのは事実ですが、実は「床下(基礎の通気口)」から侵入し、壁の中を通って屋根裏へ移動するケースも非常に多いため、低い位置の穴も見逃せません。

また、家の周囲に庭木や塀、カーポートがある場合、それらを足場にして2階の屋根へ簡単に飛び移るため、物理的に「登れる場所」がある家は侵入リスクが格段に高まります。

① 屋根・屋根裏の隙間

ハクビシンの侵入でもっとも多いのが、屋根周辺です。

特に狙われやすいのは以下のような箇所です。

  • 瓦のズレ・割れ

  • 屋根と外壁の取り合い部分

  • 棟板金の浮き

  • 屋根裏換気口まわり

屋根は地上から見えにくく、劣化に気づきにくいため、長期間放置されやすいのが特徴です。

ハクビシンは電線を渡るほどバランス感覚が良く、雨どいや配管を掴んで垂直に登ることができます。そのため、屋根という高所であっても侵入は容易です。

特に注意すべきは「屋根の重なり部分(入母屋造りの隙間など)」です。

構造上、屋根と屋根がぶつかる奥まった部分は死角になりやすく、ハクビシンが体をねじ込みやすい格好の侵入口となります。

瓦屋根の場合、漆喰(しっくい)が崩れてできた隙間も狙われます。先述の通り、直径8cm程度の穴があれば侵入可能ですので、ゴルフボールが余裕で入るような穴は要注意です。

②床下(基礎の通気口)

床下にある基礎周辺の通気口なども、ハクビシンの侵入口として非常に多いです。

ハクビシンは高いところが得意ですが、実は「床下から侵入→ユニットバスの壁裏→天井裏」というルートも非常にポピュラーです。

特に「基礎通気口(地面近くにある網)」が錆びて穴が開いていたり、後付けの給湯器配管を通すために基礎を削った隙間などが狙われます。

そのため、屋根だけでなく「足元」の確認も必須です。

③軒下・破風板の隙間

屋根の端部分である軒下や破風板の隙間も、ハクビシン侵入リスクが高い箇所です。

  • 木材の腐食

  • 雨風による浮き

  • 小さな隙間の拡大

といった経年劣化により、侵入口になります。

ここは「異素材の境目」であるため、経年劣化で隙間が空きやすいポイントです。

特に、増築を行っている家屋では、古い建物と新しい建物のつなぎ目部分の処理が甘く、そこから軒下へ入り込まれるケースが多発しています。

また、軒下の「化粧板(軒天材)」は薄いベニヤ板一枚で貼られていることも多く、湿気でベニヤが剥がれ落ち、そこがぽっかりと大きな入り口になっていることもよくあります。

下から見上げて黒ずんでいる箇所があれば、すでに穴が開いている可能性があります。

④換気口・通気口

外壁に設置されている換気口や通気口も、非常に多い侵入経路です。

  • プラスチック製カバーの破損

  • 金網の劣化・外れ

  • 施工時の隙間

などがあると、ハクビシンが力づくで広げて侵入することがあります。

特に築年数が10年以上の住宅では、経年劣化による侵入口化が目立ちます。

ハクビシンの力(顎の力と爪の力)は想像以上に強く、劣化したプラスチックや錆びた金網(ラス網)程度であれば、簡単に食い破ってこじ開けます。

実際にあった事例では、プラスチック製の換気ガラリの格子をすべて噛みちぎって侵入していたケースも。

⑤外壁のひび割れ・劣化部分

外壁のクラック(ひび割れ)や剥がれも、侵入口になる場合があります。

特に注意したいのが、

  • モルタル壁のひび

  • 配管まわりの隙間

  • エアコン配管の貫通部

こうした場所は施工時の隙間が残りやすく、ハクビシンが広げて侵入します。

意外な盲点となるのが「水切り(基礎と外壁の境界にある金属部分)」の裏側です。ここから外壁の内側に入り込むケースがあります。

また、エアコンの配管導入部は、設置当時はパテで埋まっていても、数年経つとパテが劣化して脱落していることがよくあります。

配管導入部は壁を貫通して室内や壁内と直結しているため、パテが取れただけの小さな穴でも、配管を伝ってスムーズに侵入を許してしまいます。


上記のようなハクビシンの侵入経路がある場合、放置をすると状況が悪化する可能性が非常に高くなります。

「ハクビシン被害を放置した場合のリスク」については以下の記事で詳しく解説しています。

ハクビシン被害を放置するとどうなる?

ハクビシンの侵入経路セルフチェック

ここで紹介するチェック項目では、ハクビシンが「どこから入っている可能性が高いのか」を整理するためのチェックです。当てはまる項目を確認しながら読み進めてください。

  1. 屋根・屋根裏
  2. 床下・基礎部分
  3. 換気口・外壁

上記のどのあたりからハクビシンが侵入している可能性が高いのかを一緒にチェックしていきましょう。

屋根・屋根裏からの侵入が疑われるケース

次のような状況がある場合、屋根まわりから侵入している可能性があります。

□ 夜間に天井裏からドタドタ・ゴソゴソと音がする

□ 音が「頭上」から聞こえることが多い

□ 雨樋や電線を伝って屋根へ登れそうな構造になっている

□ 屋根瓦のズレ・浮き・破損が見られる

□ 軒先や屋根周辺でハクビシンを見かけたことがある

▶ これらに複数当てはまる場合
屋根・屋根裏が侵入口候補として考えられます。


床下・基礎部分からの侵入が疑われるケース

以下の項目に当てはまる場合、床下付近からの侵入の可能性があります。

□ 床下通気口に金網が設置されていない

□ 金網が破れている、外れている

□ 家の周囲(地面付近)でフンのようなものを見つけた

□ 地面を掘ったような跡がある

□ 家の外周をうろついている姿を見たことがある

▶ 該当が多い場合
床下・基礎まわりが侵入経路候補になります。


換気口・外壁からの侵入が疑われるケース

次のような状況がある場合、換気口や外壁部分が侵入口となるケースがあります。

□ 換気口のカバーが破損・変形している

□ 換気口の周囲に隙間がある

□ 外壁にひび割れや劣化が見られる

□ 特定の壁付近から物音がすることがある

□ 壁の近くで足音や引っかくような音が聞こえる

▶ 複数当てはまる場合
換気口・外壁が侵入経路の可能性として考えられます。


⇒上記のチェックで、「ハクビシンの侵入経路がどのあたりにありそうか」が絞れて来たら、

以下の3つの特徴が、該当箇所の周辺で確認できるかを確かめてみましょう。

 握りこぶし以上の大きさの隙間があるか?

 雨樋・電線・フェンスを伝ってその場所へ到達できそうか?

 その周辺や通り道に、泥のついた足跡(5本指)やひっかき傷、種が混じった果実のような糞がないか?

これらの3つの質問に当てはまる場合は、その場所がハクビシンの侵入経路になっている可能性が高いです。

注意:高所確認や無理な点検は転落事故やケガの危険があるので、行わないでください。


ハクビシンの侵入経路が特定できても、実際の被害状況や対処の判断は、侵入経路だけでなく被害内容・再侵入リスクなども含めて考える必要があります。

ハクビシンに侵入された場合の正しい対処法や業者依頼の判断については、以下の記事で詳しくまとめています。
ハクビシン被害・対策の完全ガイド

侵入経路が複数あるケースと注意点

ハクビシン被害では、

  • 複数の侵入経路が存在する

  • 入口と出口が別の場合がある

というケースも少なくありません。

ハクビシンの執着心は非常に強く、メインの侵入口を1ヶ所塞いだだけでは、別の小さな隙間を無理やり広げて再侵入を試みます(いわゆるイタチごっこ状態になります)。

「2階の屋根を塞いだら、今度は1階の床下から入ってきた」という事例も珍しくはありません。

侵入口が複数ある確率は、築年数が経っている家屋ほど高く、平均して2〜3箇所の侵入可能箇所が見つかることが多いです。

完全に被害を止めるには、今入っている穴だけでなく、「今後入られそうな予備軍の穴」も含めてすべて封鎖する必要があるため、正確な侵入経路の特定には建物構造を理解した専門的な調査が重要になります。

まとめ|侵入経路の把握と正しい対処が大切

ハクビシン対策で最も重要なのは、
「どこから入ったのか」を正確に把握することです。

侵入経路が正確に特定できなければ、

  • 追い出しても戻ってくる

  • 対策しても被害が止まらない

という状態が続いてしまいます。

また、「被害の放置」や「中途半端な侵入口の封鎖」などは、様々なリスクを伴うため、正しい対処を行うことも大切です。

必要に応じて専門業者による調査を検討することも、再発防止への近道になります。

ハクビシン被害や正しい対策、専門調査が必要なケースについては、以下のページでまとめています。

ハクビシン被害・対策ガイド

 

氏名:成瀬 海人(害獣駆除専門家)

害獣駆除業界で16年以上の経験を持ち、ハクビシン・イタチ・アライグマ・ネズミ・コウモリなどの被害対策や再発防止に精通。

監修者プロフィールを見る